Vol.2 -10年の思い- 

4月にメモリアルブックの発売を予定しています。10年を振り返る機会をあえて作ってみたんです。頭の中の風景に整理をつけていま思うことは、「10年続けてきてよかった・・・」ってことですね。私は昔から祖母に「上手でも下手でもいいから、お稽古事は10年続けなさい」って言われてきたんです。「10年続ければ必ず何か肥やしになるし宝物になるから辞めちゃダメ」と言われて私たち親族はみんな何かしらのお稽古事を10年やっているんです。確かに10年もやっていると途中で何度も辞めたいと思う時が訪れるんですけど、やっぱり10年続けてきた人にしかわからないテープが切れる瞬間があって、KOKIAとして10年経ったいま“宝物”になったなぁと改めて祖母のことばに気づかされました。続けてこれてよかったなって本当に思います。

逆に言うとこれから10年また歩み始めるので、また何度となく辛いなって思う時も来ると思いますし、並々ならぬ覚悟が必要だなって思います。でもやっぱり続けていきたいなと思いますし、いけたらいいなって思いますねぇ。

-最初の10年とこれからの10年、続けるということ
最初の10年は正直訳がわからないまま過ごしてきました。色んなことを勉強させてもらって、色んなことが見えてくるまでにこんなに時間がかかるんだっていう感じです。とにかく何もかも初めて。大学在学中にミュージシャンとして音楽の世界に入ったので、特殊な世界の経験しか知らなくて社会人としての常識人になるまでに時間がかかりました。ミュージシャンとしても分からないことだらけで、事務所を転々とすることで求められるKOKIA像が違ったりもしたので自分のビジョンとは違う方向に進んでしまったりして、馴染むのに時間がかかりました。とにかくみんなのリクエストに極力応えたいとも思っていましたから、自分の思い描く仕事のスタイルや音楽のジャンルを模索している間に結局10年かかったというわけです。これは物作りをする人の永遠の課題なんでしょうけれど、10年経ったいまでも、そのビジョンははっきりはわかりません。ただ、こんな方向かなぁ~っていうのは少し見えてきました。でも明確にはわからない。自分を奮い立たせて自分の使命を信じていくしかないですよね。

 10年の間に変化したことって私自身よりまわりの環境なんですよね。無名だった私がそれなりに世間に影響力を持つようになってきて、スタッフの歯車の大きさが変わりましたし、それと同時に自分の責任感も強くなりました。KOKIAって1人の人間というより、支えてくれるスタッフも含めたチームのことなんだなって思います。 

時に気持ちが弱まると不安になったりもしますけれど、10年続けられたのはたくさんの人との出逢い、たくさんの人の支えがあったからこそなので、いつも自分の気持はそういう人たちの思いで支えられています。ことばにすると月並みなんですが、ファンの方からのメッセージなどをいただくと、必要とされている、この人たちの為にも頑張らないと!と普通に思えるんです。よくアスリートがインタビューで「ファンに支えられて」ということばを言うじゃないですか。自分も経験して初めてほんとそうだよなぁ~って思うんです。必要とされたり支えてもらえることでこれまで続けてこれました。

ファンレターとかメールって読んでないんじゃないですかって言われるんですが、私の場合は全部届いているので見てます。残念ながら全部にお返事することは出来ていませんが、みんさんが思っている以上にみなさんの気持ちは届いていると思います。返事が書けない分、歌にしている部分もあるんですよ。いつもみなさんの気持ちを聞いてメッセージが届くといいなと思っているので、いい曲だと言ってもらえると気持ちが伝わったと思えて作り手としては次の創作意欲になって嬉しいです。
「The VOICE」は
みんなの“声”でも出来上がっているアルバムです。
                                      (続)



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小さなこえが、小さなうたに

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本当にそうですね。「私にできること」という歌は、たった一通のファンの方のメールから作られた歌です。
「小さなうた」という歌も、やはりメールの一通一通から作られた歌で、これは本当にあったことなんだよ。現実に起こっていることなんだよというさまざまな想いが交錯して、心に響く深い感情を呼びます。
わたしが、いつもお食事屋さんに行くと必ずすることがたったひとつあります。
それは心を動かされた味を感じたら、レジでお金を払う時に厨房のみなさんに「おいしかったですよ!」って必ず言うんです。
なーんだ。そんなことかって思われるような小さなことだけれども、意外と励みにしていただけるようで、皆さん大抵はとても素敵な笑顔を返して下さいます。
「物をつくる人」というのは、そんな意外な小さな励ましが助けになって、これからまたがんばっていこう!もっともっとがんばろう!って気になるようにわたしには感じられるんですね。
そんなちいさな声は、思っているよりもずっと大きなパワーや想いを秘めているものかもしれません^^♪

(2008.04.21 12:17:06)



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