フューチャー

 
武田美保さん:Interview serial Vol.1-夢を実現する自分探しの旅-

シンクロスイマー武田美保が水の中で手に入れたものとは

 シンクロをはじめたきっかけは、 どんなことだったのでしょう。

兄達が習い事をしている中「何か私も!」ということで、5歳の時にスイミングスクールに入ったのがきっかけです。親からしてみれば、単純に家から近くて通いやすい(笑)。目指す目標を明確に持って入った訳ではなかったのですが、やめたいとは思わなかったです。

通い始めてから2年目に、シンクロコースの先生から誘いの声がかかったんです。小さい頃は体がすごく硬かったし、スクール内の記録会でも成績が良くもない私に、なぜ声をかけてくださったのかはわからなかったのですが、

今から考えるとおそらく手足が定規でひいたように真っすぐだった私を見て、バランスの取れた身体がシンクロ向きだと思われたのかもしれませんね。

シンクロがオリンピックの競技として初めて行われたのが1984年(武田さんが8才の頃)ですし、まだそれほどメジャーではなかったのですが、舞台などの芸術性のあるものには小さい頃から憧れがあり、子供ながらにおもしろそうだと思い、シンクロをはじめることになりました。

武田美保
 

 そして、長いシンクロ生活が始まった武田さんですが、そのシンクロを通じて一番学んだことは何ですか。

選手として、という技術的な面はもちろんですが、メンタル面で学んだことがほとんどです。生きてきた人生の中であれ以上の「本気」はないと胸を張って言えます。

強い自分に鍛えあげることができたのは「本気」で頑張ったからこそ。今までもこれからも一生、自分に自信を持っていけるのは、シンクロ生活において自分の「本当の本気」を実感できたからだと思っています。

限界や壁って、スポーツだからこそ肉体的に感じるんです。コーチから無理難題を課される。けれどその課題をクリアすることはどう考えても無理なことだと頭で思ってしまう。そうなると、もうその壁に対しては「乗り越えなければいけない」ではなくて、「乗り越えられない」と自分自身で壁を立ててしまっているのです。いわゆる自己防衛本能というものです。

武田美保
 

練習中に「これ以上やったら気絶する」って思いながらやっていても、コーチからは『何しんどいアピールしてるの?』と言われてしまう。『人は本当に限界点を越えたら必ず体の機能に支障をきたすけれど、あなたはそうじゃない』と。

限界だと思っていても、案外まだ限界じゃなかったりする。それをコーチはちゃんと見抜いていたんです。それから自分を徹底的に追い込みましたね。自分の現状をしっかりと見つめ、今の大きな壁を超えるにはどこが

武田美保

足りないのか、どうすべきなのかを自己分析し、それを試してみる。その繰り返しの毎日でした。
スポーツをやってない人でも日常に置き換えてみると、仕事などで人間関係等の壁にぶつかった時に「やめたほうがいいのかな?」と思う事がありますよね。やめてしまったり、その思いを消去するのはものすごく簡単だけど後から絶対後悔するはずです。

私は、嫌な状態や環境を変えたいのならば「自分で動け!」という思考に辿り着きました。 誰にも文句も言わせないところまでやり通すことで 達成感を感じることができる。そして自分も強くなるし、生きている実感を持つことができると思うのです。

「自分」に勝つことができなければ年々高くなる壁を乗り越えていくことなんてできない。「今の自分に勝てなければ今後の自分はないんだ」と「徹底的に追い込む」、そして「答えを見つける」という自分探しの旅だったと思います。

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